「怒り」を見てきたので感想を。
いやー、全体的にはとても良かったです。
原作に負けないくらいの映画って久々に見た気がします。
上下巻の長い原作を3時間でよくまとめてあったなーと感じます。
話題になっている、妻夫木聡さんと綾野剛さんの同性愛のシーン。
濃厚でビックリしました。
発展場で綾野剛さんを見つけた妻夫木さんが嫌がる綾野剛さんをいきなり押し倒して後ろから、、、
書いていても恥ずかしくなりますね(笑)
大事な部分こそは見えていませんが、表情や声や息づかいで、しっかりと行為が行われているのが伝わってきて、妻夫木聡さんの役者魂を見ましたね。
綾野剛さんは前々から映画でよく見ていましたが、特別好きな俳優さんではなかったのですが、今回で好きになりました。
捕らえどころのない無機質な空気感が良く出ていて、私も男なら綾野剛さん好きになるかもしれないな〜と感じました(笑)
あとは沖縄に住む広瀬すずさん演じる泉ちゃんが米兵ふたりにレイプされてしまうシーン。
本当に可哀想で怖くて、目を閉じたくなるほどでした。
広瀬すずさんの体当たりの熱演でしたね。
スクリーン映えする顔で安定感もありますね。
こちらも演出と演技で乱暴されている恐怖はしっかり伝わりましたが、広瀬すずさんのヌードなどは一切見えないのでファンの方は安心してください。
広瀬すずさんに恋する同級生役の男子も、最初は冴えないなーと感じましたが映画が進むに連れてグッと存在感を増してきました。
調べてみたら佐久本宝くんっていうんですね、注目です。
森山未來さんと松山ケンイチさんは安定の演技力ですね。
この2人はいつも上手いのでというか、いつも上手いせいで今回の映画では特筆することがないですね。
それって凄いことだとは思いますが。
最後にちょっとグチを。
渡辺謙さんて巷で言われるほど素晴らしく演技が上手いのかなあと。
今回の怒りでも、その間の取り方は不自然なのでは、、、って思う場面が何度かありました。
良い意味でも悪い意味でもオーバーアクトな方なのでハリウッド向きで邦画にはむかないのかなと、、、
邦画にはおさまらない存在感という事でしょうか。
そして宮崎あおいさん、頑張ってるのは伝わるのですが10年前からあまり変わっていない気がします。
宮崎さんの顔や雰囲気は大好きで、出演作ほとんど見てるのですが、どんな役をやっても宮崎あおいさんなんですよね。
序盤からうーん今回もまたこの喋り方か、、と思いました。
三億円事件を題材にした映画「初恋」の時とあまり変わっていないように感じました。
それだけいつまでもピュアな雰囲気を持った女優さんなのかもしれません。
今回の映画では、広瀬すずさんの方が断然よかったと思います。
普通の少女を演じるのって凄く難しいと思うのですが、普通の少女のぎこちなさや、やがて生まれる葛藤を非常に上手く演じ手いるなあと思いました。
「怒り」というタイトルは怖いものを連想させますが、この映画はむしろ「愛」の物語だと感じました。
相手が男性であっても女性であっても、たとえ素性の知れない相手であっても、なぜかこの映画では愛という感情はどれも同じような感情に見えました。
非常に完成度の高い映画なので、おすすめです。